蛇口をしっかりと閉めたはずなのに水がポタポタ漏れてくる、そんな「蛇口が閉まらない」トラブルの最も一般的な原因の一つが、内部のパッキンの劣化です。特に、ハンドルが二つあるタイプの蛇口(二ハンドル混合栓や単水栓)でよく見られます。パッキン交換は、比較的簡単なDIY修理として知られており、ご自身でチャレンジすることも可能です。ただし、作業を始める前に必ず止水栓を閉め、安全を確保することが大前提です。パッキン交換に必要な主な道具は、モンキーレンチ、プライヤー、マイナスドライバー、そして交換用のパッキン(コマパッキン、三角パッキンなど)です。交換用のパッキンは、ホームセンターなどで入手できますが、ご自宅の蛇口に合ったサイズや種類を選ぶことが重要です。不安な場合は、古いパッキンを持参して店舗で相談すると良いでしょう。まず、蛇口につながる止水栓を閉めて、水の供給を完全に止めます。次に、蛇口のハンドル上部にあるキャップをマイナスドライバーなどで外し、中のネジをドライバーで緩めてハンドルを取り外します。ハンドルの下にあるカバーナットをモンキーレンチで反時計回りに回して緩め、取り外します。これで蛇口の内部にあるスピンドル(ケレップ)と呼ばれる部品を取り出すことができます。スピンドルの下部に付いている黒いゴム製の部品がコマパッキンです。これを新しいコマパッキンと交換します。また、スピンドルの上部、カバーナットの下あたりについているゴム製の輪っかが三角パッキン(バルブパッキン)です。こちらも劣化している場合は交換します。新しいパッキンを取り付けたら、逆の手順で部品を元に戻し、最後にハンドルを取り付けます。全ての部品をしっかりと組み付けたら、ゆっくりと止水栓を開けて水漏れが止まっているか確認します。もし水漏れが止まらない場合や、作業中に部品を破損させてしまった場合、あるいは自分で作業するのが難しいと感じた場合は、無理せず水道修理の専門業者に依頼しましょう。