入居したばかりの分譲賃貸マンションで、洗濯機の排水口にトラップが設置されていないことが判明しました。オーナーが変わったばかりの物件で、以前の住人が退去した際の原状回復工事が不十分だったのか、あるいは最初からそのような仕様だったのかは不明でしたが、室内に漂う下水の臭いは看過できるレベルではありませんでした。私はまず、この状況を客観的に記録することから始めました。臭いの発生状況や、排水口の写真を撮影し、現在の設備が一般的な賃貸住宅の標準的な衛生水準を満たしていないことを論理的に説明するための準備を整えたのです。その上で管理会社に連絡を入れましたが、当初の回答は「現状有姿での契約であるため、入居者負担で対応してほしい」という定型的なものでした。しかし、私は諦めませんでした。排水トラップの欠如は、単なる利便性の問題ではなく、公衆衛生上のリスクや、万が一の漏水事故の際に階下へ被害を及ぼす可能性が高まることを指摘しました。特に、トラップがない状態では排水ホースが固定しにくく、振動によって外れるリスクがあることは、建物全体の維持管理の観点からも望ましくないはずだと主張したのです。数回のやり取りを経て、ようやく管理会社側も重い腰を上げ、オーナーとの交渉に応じてくれました。結果として、建物全体の排水管清掃のタイミングに合わせて、私の部屋にも後付けの防水パンと排水トラップを設置する工事を、オーナー負担で行ってもらえることになりました。工事当日は、専門の設備業者が来宅し、床下の配管を一部加工して、しっかりと封水が機能する最新のトラップが設置されました。作業後、業者の担当者からは「最近は古い物件でもトラップ設置を希望する声が多いが、構造上難しい場合もある。今回は点検口が近くにあって良かった」という話を聞きました。今回の経験を通じて学んだのは、賃貸物件であっても、住環境の健全性を守るための正当な要求はしっかりと伝えるべきだということです。排水トラップ一つで、毎日の生活の質は劇的に変わります。もし設備に不備を感じたら、まずは契約書を確認し、冷静に、かつ具体的に改善を求める姿勢が大切であることを痛感しました。
賃貸住宅の管理会社と交渉した排水トラップ設置工事の全記録