ある日の朝、トイレのスリッパがなんだか湿っぽいことに気づきました。最初は掃除の時の拭き残しかな、あるいは家族が手を洗った時の水が飛んだのかな程度にしか考えていませんでした。しかし、翌日もその翌日も、便器の右側の床だけがうっすらと濡れているのです。よく見ると、床のタイルの目地が常に濃い色をしており、指で触れるとじわじわと冷たい水分が浮き上がってきます。これが私と、正体不明の水漏れとの戦いの始まりでした。最初はタンクからの結露を疑い、タンクに断熱シートを貼ったり換気を徹底したりしましたが、状況は一向に改善しません。むしろ、濡れる範囲は少しずつ、確実に広がっているように見えました。そこで私は、寝る前に便器の周囲をトイレットペーパーで囲むという作戦に出ました。翌朝確認すると、特定の箇所のペーパーだけがぐっしょりと濡れており、上から垂れてきた形跡はありません。つまり、床下から水が湧き出してきていることが確定したのです。この時の恐怖といったらありません。床の下はどうなっているのだろう、シロアリは大丈夫か、修繕費はいくらかかるのか。そんな不安が頭をよぎりました。意を決して業者を呼んで点検してもらったところ、原因は便器を固定するボルトの周囲にあるパッキンの硬化でした。水を流すたびにその隙間から少量の水が漏れ、長い時間をかけて床材に染み込んでいたのです。幸いにも床板の腐食は初期段階で済みましたが、もしあと一ヶ月放置していたら、床の張り替えまで必要だったと言われました。この経験から学んだのは、トイレの床のじわじわとした濡れは決して自然治癒しないということです。小さな変化を見逃さず、おかしいと思ったらすぐに徹底調査をすること。それが家という大きな資産を守るための基本であることを、身をもって実感しました。もし今、あなたの家のトイレで同じようなじわじわとした濡れを見つけているなら、それは家が発している悲鳴だと思ってすぐに行動することをお勧めします。
足元にじわじわ広がる水漏れの恐怖体験