夜中に静まり返った家の中で、キッチンの方から聞こえてくるポタ、ポタという規則的な音。一度気になりだすと、時計の秒針の音よりも耳に障り、眠れなくなってしまうことがあります。私の家で水漏れが始まったのは半年前のことでした。最初は蛇口をきつく締めれば止まっていたのですが、次第にどれだけ力を込めても、無情な滴は止まらなくなりました。このポタポタ音が、実は私の財布からもお金を少しずつ滴り落とさせているのだと気づいたのは、次の水道代の検針票を見た時でした。明らかに前回よりも高くなっている請求額を見て、この小さな音の正体が「浪費の音」であることに恐怖を覚えました。それでも、業者を呼ぶのは大げさな気がして、まずは自分でネットの情報を頼りに修理を試みることにしました。古い蛇口を分解してみると、中から出てきたのは真っ黒に汚れてボロボロになったパッキンでした。こんなに小さなゴムの破片が、家中の静寂を破り、水道代を跳ね上げていたのかと思うと、住宅設備の繊細さに驚かされました。新しいパッキンをはめ込み、再び蛇口を組み立て直してハンドルを回した時の緊張感は今でも忘れられません。水を出し、そして止める。一滴も漏れてこない蛇口の先端を見た時、ようやく本当の安らぎが訪れた気がしました。あんなに私を悩ませていたポタポタ音が消え、キッチンには再び穏やかな静寂が戻りました。その後の水道代も元の水準に戻り、改めて早期発見と早期治療の大切さを痛感しました。水漏れの修理は、単に設備を直すだけでなく、心に平穏を取り戻す作業でもあったのです。もし今、どこかでポタポタという音を聞きながら不安を感じている人がいるなら、迷わず行動に移してほしいと思います。道具を揃えて自分でやるにせよ、プロに任せるにせよ、その決断があなたを不快な音と無駄な支出から救い出してくれるはずです。水は命の源ですが、コントロールを失った水はただの損失でしかありません。今日からまた、静かで清潔なキッチンで料理ができる喜びを噛み締めています。