日々の修理業務の中で、私が最も多く目にするのが「もっと早く呼んでくれれば良かったのに」という現場です。蛇口からポタポタと水が漏れている状態で数ヶ月を過ごし、水道代が倍になってから慌てて電話をくださるお客様が後を絶ちません。プロの目から見て、ポタポタ漏れを軽視することの最大の危惧は、それが水道代の高騰だけに留まらないという点にあります。水漏れが起きているということは、蛇口内部の止水部分が不完全な状態であることを意味します。その状態で無理にハンドルを締め続けると、蛇口本体の金属ネジ山が潰れてしまい、パッキン交換だけでは済まずに、数万円する蛇口本体ごとの交換が必要になってしまいます。また、水道代の増額分については、地中の配管など「見えない場所」での漏水であれば減免制度が適用されることがありますが、蛇口のような「見える場所」での漏水を放置していた場合は、原則として全額お客様の負担となります。つまり、放置した分の水道代は一円も戻ってこないのです。現場でお客様に漏水量の説明をする際、よく例えに出すのが「一晩で洗面器が一杯になる程度の漏れは、一ヶ月で数千円の差になる」という事実です。お客様は一様に驚かれますが、これが現実です。最近の住宅に多いシングルレバー式やサーモスタット式は、構造が複雑なため、ポタポタが始まったらパッキンだけでなく内部のカートリッジごと寿命を迎えているサインです。自分で直そうとして部品を無理やり引き抜き、配管を傷めて二次災害を引き起こすケースも多いため、少しでも難しいと感じたら我々のような専門家を頼ってください。我々は単に水を止めるだけでなく、家全体の水圧チェックや他の蛇口の点検も行い、将来的な水道代の不安を取り除きます。ポタポタという音は、住宅からのメンテナンス依頼だと考えて、早急な決断をされることを強くお勧めします。家計を守るためにも、そして心の平穏を保つためにも、早めの修理こそが最善の選択なのです。