ある日の掃除中、トイレの便器と床の境界線がなんとなく変色していることに気づきました。指で触れてみると、うっすらと指先が湿る程度の水分がありました。最初は掃除の際の水撥ねか、あるいは家族の誰かがこぼした程度に考えていたのですが、拭き取っても翌朝にはまた同じ場所がじわじわと濡れているのです。この瞬間、これは普通の汚れではなくどこかから水が漏れているのだと確信しました。それからの数日間は、原因を探るための暗中模索が始まりました。まず疑ったのは結露でしたが、季節は秋で室温も安定しており、タンクの表面は乾いていました。次に給水管を疑いましたが、ナットの接続部分にティッシュを巻いて確認しても、濡れる様子はありません。そうなると原因は便器の奥深く、床との接合部にあるのではないかという不安がよぎりました。自分ではどうしようもできないと考え、水回りの修理を請け負う専門業者を呼ぶことにしました。作業員の方が到着し、便器を一度取り外してみることになったのですが、その光景には驚かされました。便器を固定していたフランジという部品が経年劣化で割れており、水を流すたびにそこから微量の水が外に漏れ出していたのです。さらにショックだったのは、床材の一部が既に水を吸ってふやけ始めていたことでした。目に見える水はわずかでも、床下ではじわじわと浸水が進行していたのです。修理自体は部品の交換と再設置で数時間ほどで終わりましたが、もしあの時、ただの結露だと思い込んで放置していたらと思うと、今でも背筋が凍る思いです。床下まで完全に腐食してしまったら、修理費用は今回の何倍にも膨れ上がっていたでしょう。この経験から学んだのは、トイレの床に現れる小さな異変は、住宅が発している重大なSOSサインであるということです。普段からトイレを清潔に保つことはもちろん大切ですが、それ以上に床の状態や匂いに敏感になることが、家を守るためには不可欠だと痛感しました。今では毎日、トイレを使うたびに床が乾いているかを確認するのが私の新しい習慣になっています。
私の家で起きたトイレ床下の水漏れ体験記