ある戸建て住宅のオーナー様から、洗濯機を新調してから洗面所の臭いがひどくなったという相談を受け、現地調査に伺いました。現場を確認すると、洗濯機は最新式のドラム式に買い替えられていましたが、その下の排水口にはトラップが設置されておらず、排水ホースが直接床下の配管に差し込まれているだけの状態でした。オーナー様に話を伺うと、以前の洗濯機でも多少の臭いはあったものの、新しい洗濯機にしてから特に気になり始めたとのことでした。実は、最新の洗濯機は節水性能が高いため、排水時の水の勢いが以前のモデルと異なり、配管内の空気を押し出す力が強まることで、一時的に臭気が室内に逆流しやすくなることがあります。また、以前はホースと配管の隙間をタオルなどで塞いでいたようですが、それがかえって不衛生な状態を作り出していました。今回の解決策として、まずは床下の配管を切断し、新しく床面固定型の排水トラップを設置する工事を提案しました。幸いなことに、床下点検口から作業が可能な構造であったため、大がかりな床の張り替えは行わずに済みました。工事では、封水深が十分に確保できるタイプのトラップを選定し、洗濯機の激しい振動でも外れないように専用のエルボでしっかりと固定しました。施工後、実際に洗濯機を稼働させて排水の様子を確認しましたが、臭気の逆流は一切なくなり、排水音も以前より静かになったと大変喜んでいただけました。この事例から学べるのは、古い住宅では当時の施工基準でトラップが省略されているケースが多々あるという事実です。リフォームや家電の買い替えは、こうした目に見えない不備を解消する絶好の機会でもあります。もし排水口が単なる穴になっているのを見つけたら、それはトラブルの前兆かもしれません。臭いや害虫の問題が発生してから慌てるのではなく、事前にトラップの設置を検討することが、結果的にメンテナンスコストの削減にも繋がります。住宅の健康状態を維持するためには、床下の小さな部品一つにも気を配ることが不可欠であることを、私たちは再認識する必要があります。
排水トラップ未設置の現場で見つけた悪臭トラブルの解決事例紹介