それは、週末の穏やかな夕食時のことでした。一階の脱衣所から「何か水の音がする」という子供の声に、私は不審に思って向かいました。ドアを開けると、ユニットバスの入り口から水が溢れ出し、洗面所の床を濡らしていました。浴槽の水を抜いた際、排水管が詰まって逆流したのかと思いましたが、蛇口を閉めているにもかかわらず、ユニットバスの床からじわじわと水が湧き出していたのです。パニックになりながらも、まずは家全体の元栓を閉めに行きました。幸い、それで水の勢いは収まりましたが、その夜はお風呂に入ることも、洗濯をすることもできなくなりました。翌朝、一番に電話した業者が駆けつけて調査した結果、給水管のジョイント部分が完全に破断していることが判明しました。築二十年の家で、配管の老朽化が限界に達していたのです。修理が終わるまでの三日間、家族で近所の銭湯に通う日々を過ごしました。不便な生活を強いられたことで、当たり前のように使っていたお風呂の有り難さを身に染みて感じました。この事件をきっかけに、我が家では水回りに対する意識が劇的に変わりました。それまでは水漏れなど他人事だと思っていましたが、今では定期的に床下の点検口を覗き、湿気がないかを確認するのが私の役割となりました。また、キッチンやトイレを含め、家中の止水栓の場所を家族全員で共有し、緊急時のマニュアルを作成しました。業者の方からは、市販のパイプクリーナーを定期的に使うことや、髪の毛を排水口に流さないといった基本的なケアが、配管への負担を減らすことに繋がると教わりました。今回の浸水は確かに大変な災難でしたが、大きな被害が出る前に根本的な修理ができたことは不幸中の幸いだったと捉えています。水漏れというトラブルは、日々の暮らしの脆さを教えてくれる警鐘でもありました。今後は「漏れてから直す」のではなく「漏れないように守る」という姿勢で、住まいを大切にしていこうと家族で話し合っています。
突然の浴室浸水に見舞われた家族の一日とその後の対策